家庭環境とマイナスイオン

癒しの場として家庭環境をつくる

 家族の憩いの場であるリビングルームに観葉植物を多く配置したり、アロマのよい香りを漂わせたり、水が循環するインテリアや、マイナスイオン発生機をおくだけで、たしかに部屋の空気は驚くほど活性化します。

 ここに面白い実験結果があります。1982年にアメリカ・オハイオ州にある空軍医学研究所のバカロー、リズットの両博士は、24人の被験者を年令、教育程度、健康度および喫煙状態を参考に、平等な12人ずつ二つのグループに分け、その一群をマイナスイオン吸入群、もう一方の郡を吸入しない群として、それぞれ6時間ずつマイナスイオンあるいは通常の空気を吸収させ、それによって情動に変化が生じるかどうかを検討しました。その結果は、マイナスイオンを吸入した人々は、「テイラー不安検査法」(1953年に英国テイラー博士が製作した不安の現れを知るための質問票検査法で、一過性の精神状態を反映する)には、なんら差異は見られませんでしたが、ムード質問票には、生理的感覚として「くつろげる」、また心理的感覚では、「イライラ」「憂うつ感」「緊張感」が減る反面、「安らぎを覚えた」また「元気が出る」との結果を得たとなっています。

 マイナスイオンばかりでないよい香りが満ちたリビングに家族が自然に集まり、会話も増えて円満になることがうなずけます。家族との楽しいコミュニケーションほど、疲れを癒してくれるものはないことは、皆さんは素直に理解していただけるものと思います。特に玄関は、外部からのお客さまをお迎えする場所であり、また家に帰って最初に入る場所です。ところが、その玄関が脱ぎっぱなしの靴などの臭いが充満して臭かったらどうでしょう。ここでもアロマやマイナスイオンは活躍できます。家を出かけるとき、帰ってきたとき、心地よい香りとマイナスイオンがあることで、心身ともに良い影響を受けられます。

 また、キッチンは電化製品が多く、驚くほど電磁波が多い場所です。調理の臭いや煙りが他の部屋へ漏れないように、注意しなければならない場所で、そのうえ、生ゴミなどの悪臭もあります。当然火と水を使う場所ですから、空気も汚れ、湿気もたまりやすいといえます。驚くことに発ガン物質が多いものといえば、すぐタバコの煙りを思い出しますのが普通ですが、実はある公衆衛生分野の学者の調査では、台所で焼くサンマなどの魚の煙りは発ガン物質がタバコの30倍あると報告されています。家庭の主婦は、キッチンにいる時間が長く、多くの日課、特に家族の食事をつくる、食器を洗うといった日常的な仕事をその場所ですることになります。ですからキッチンをはじめ、三分の一を過ごす寝室、リビングそれに続くダイニングには、特に空気の汚染を防止することばかりでなく、積極的にマイナスイオンや香りを上手に活用していきたいものです。

 癒しという健康の観点からみると、憩いの場所の環境は、栄養の食材のよし悪しと同じくらい人体に大きく影響を与えるからです。人間が自然とともに生きてきた時代には、自然のパワーが癒しをもたらしてくれていました。しかし、これほど人工的な生活環境になってしまった現在、マイナスイオンが人間の忘れてしまった自然への回帰に波紋を投げかけているのです。一般に社会や経済の機構は、時代とともに変遷しますが、自然や、人間の体質は、そう簡単に変わりません。まして、生命の適応メカニズムは長い歴史がつちかい、創造してきたものです。今日のような急激な環境の変化のなかで、身近な自然を上手に取り入れ、自然と深く結びついて生きていくためにもマイナスイオンの活用は欠かせないものといえましょう。