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室内空気汚染の驚くべき実態 ある新聞の記事を紹介します。そこには室内の空気汚染に関してわかりやすく紹介されています。この記事を見ていると、その要旨として、こう書かれています。 「対応急がれる室外汚染、残留性高い有毒物質。入居11日で外気の6.9倍。トリメチルベンゼン、ナフタリン、フェンチオンなど複数の揮発性有機化合物(VOC)と合板に使われる高濃度のホルムアルデヒドが検出された。ホルムアルデヒドは、知る人ぞ知る『毒物および劇物取締法』に指定されている『劇物』である。当然、いわずと知れた発ガン物質で、これが空気にあると低濃度でも目の粘膜が刺激されて痛みを感じ、頭痛が起き、せきが出たり、胸苦しさを覚える」とあります。 このホルムアルデヒドは、そう簡単に消え失せなく、一説によると、10年以上は揮発し続けるといわれています。 最近、このホルマリンは、ふぐの養殖にも殺菌剤として使われていたことがテレビで話題になりました。近くの海域で真珠の養殖をしている業者から、大量のアコヤ貝の死滅が問題となったのがきっかけでした。現在では使用禁止になり、代りに過酸化水素が使われ始めました。 一方、VOCは、ペンキやシンナー(薄め液)などにも含まれるものです。トルエンは、皮膚や粘膜に刺激を与え、疲労感や吐き気、無気力、眠気を起こします。アセトンも、目に刺激を与えて結膜炎を起こすことで知られています。昔から、“ペンキ屋さんの職業病”といわれるように、肝臓病など特定の疾患との関連が強いものです。 たしかに新しい家ほど、多くの科学物質が高濃度に揮発していることが計測されています。室内を見回すと、ふつう押し入れは合板でできており、木の棚や体裁のよい木彫りの書棚も化粧合板です。アレルギー性疾患のゼンソクなどには起こるべくして起こっているのです。 その原因になる内装の仕上げ材、カーテン、カーペット、家具と多くの日用品や調度品に、これほど多くの誘発性の科学物質が使われているのかと思うと、背筋がゾッとする思いです。空気に含まれている、臭いの作用がよきにつけ悪しきにつけ、これほど人間の体内に大きく影響し、病気をもつくり出す事実は、決しておろそかにできない問題といえます。憩いと安らぎの生活空間を求めて購入した新しい住居が、体に刺激を与え続ける空気に変身してしまっていることは、誰も予測しなかったことです。 |
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